シンガポール永住権 (Permanent Residency 通称PR) を取るといいって聞くけど、結局どんなメリットがあるのか気になりますよね。たくさんありますが、ここでは一般的な外国人居住者 (EP/S Pass/DP) と比べた際の主なメリットについてまとめてみました(2023年11月現在)。
就労の自由
雇用に紐付けされたビザではないので、転職時にはビザの再申請なく自由に会社を変わることができたり、起業や副業 (会社規定による) をすることができます。COMPASS導入以来、就労ビザの更新が難しくなってきている近年、ビザの更新に縛られないステータスのメリットは大きいですね。
教育
子供がPRの場合は公立学校入学の順位が外国人と比較すると高くなります。シンガポールの教育水準は高い上に、公立学校の費用はインターナショナルスクールと比べるとかなりお安めなので、経済的メリットは大きいかもしれません。
公立校学費 (IS=International Students)
(出典:Ministry of Education)
PRの両親はLTVP (Long Term Visit Pass)が取得できる
日本人が観光ビザで入国する場合は30日間滞在することができますが、PRの親はLTVPを取得し、最長2年滞在することが可能になります。
CPFに加入できる
雇用主と被雇用者が拠出する中央積立基金(Central Provident Fund 通称CPF)に加入できます。積み立てたお金は医療費や住宅購入費、老後資金に使うことができますが、給与とは別に雇用主も積み立ててくれる点はメリットです。
HDBが購入できる
外国人は購入できない中古HDBが購入できます(新築は国民のみ)。物価高のシンガポールで住居費が占めるウェートは大きいのでこの経済的利益も大きいですね。
コンド購入時の印紙税優遇される
2023年11月現在、外国人のコンド購入時の印紙税は60%ともはや驚異的ですが、PRは5%に優遇されます。印紙税が60%ですと転売時のキャピタルゲインは狙いにくくなりますが、5%であれば数年で回収できるかもしれません。
シンガポール市民権に申請できる
PR取得から2年後に市民権申請の資格が得られます。ただ日本人の場合は日本政府が二重国籍を認めていないため、シンガポール国籍取得時に日本国籍を離脱する必要が生じるため注意が必要です。
その他、病院の料金が外国人と比べると割安になったり、クレジットカードの審査やローン金利が優遇されたり、定年後の再雇用や公共交通機関の割引、様々なシルバーサポートスキームの利用が可能になったりと、PRにのみ適用されるメリットが数多く存在します。
いい事づくめだから今すぐ申請しよう!というのは少し早合点です。申請には取得におけるデメリットについても検討が必要になります。次回は一般的に言われるデメリットについて考えてみたいと思います。