「家族がシンガポール人」でもPR取得は安心はできない?【ICA公式見解】シンガポール人配偶者のPR申請の現実
- Visa Navi Singapore
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更新日:4 日前
2025年6月
シンガポールで暮らす中で、「この国を家族の拠点にしたい」と考える方は年々増えています。特にシンガポール人と国際結婚をされたご家庭では、生活基盤を築く上で永住権(PR)は大きな安心材料となります。
同時に近年、シンガポールでは出生率の低下が深刻な社会課題となっています。この問題の解決の一助として注目されているのが、シンガポール人と外国人の「国際結婚の家庭」の存在です。
2025年3月25日付のStraits Timesに「シンガポール国籍の子を持つ外国籍の親は自動的にPR資格を得るべきだ」という読者投稿が掲載されました。
この投稿では、過去10年間において毎年、全婚姻の3分の1以上がシンガポール国民と外国籍の夫婦であること、また2023年には全出生児のうち23%が、片親がシンガポール人、もう一方が外国籍という家庭に生まれているというデータを紹介しています。

これらのデータから、国際結婚がシンガポールの婚姻において大きな割合を占め続けている現状を踏まえ、シンガポール国籍の子どもを持つ外国籍の親に対して、自動的に永住権(PR)を付与する制度の導入が提案されました。
2025年4月2日付の同紙に、上記投稿に返信する形でICAの公式見解が掲載されました。その中でICAは、すべての永住権申請を多面的かつ慎重に評価していると回答しています。具体的な評価要素として、シンガポール人配偶者の経済的な支援能力や婚姻期間が挙げられました。
同時に、PRの要件を満たさない外国籍の親には、シンガポールに滞在し、特定条件下で就労も可能なLTVP(長期滞在ビザ)や、より長い滞在期間が許可され、就労許可や公立病院での医療補助など、生活の継続や就労、医療面での安心感があるLTVP+の選択肢が示されています。
シンガポール人の配偶者であり、シンガポール人の子どもがいるという事実は、PR審査においては強いプラス材料になりますが、それだけで承認が「保証」されるわけではないというメッセージです。
シンガポール人家族がいる申請者ですら、PR承認が「当然」とは限らない―この現実は一見厳しく感じられるかもしれません。しかし今回のICAの発表は、これまでと変わらず「すべての申請は、多様な基準に基づいて個別に審査される」という一貫した方針を改めて示しているに過ぎません。
PR申請は「当然通るもの」ではなく、誰であっても個別に審査される以上、結果を左右するのは申請内容の中身と準備の質です。だからこそ、制度を正しく理解し、自身の状況を客観的に整理したうえで、どのようにアピールすべきかを戦略的に考えることが重要です。
ご自身とご家族の将来を見据え、準備できることを一つずつ丁寧に積み重ねていくことが、PR取得への確かな一歩につながります。
出典:
Forum: Let foreign parents of Singaporean children automatically qualify as PRs, The Straits Times, 2025-03-25, https://www.straitstimes.com/opinion/forum/forum-let-foreign-parents-of-singaporean-children-automatically-qualify-as-prs, (参照2025-06-10)
Forum: PR applications of foreign parents evaluated holistically, The Straits Times, 2025-04-02, https://www.straitstimes.com/opinion/forum/forum-pr-applications-of-foreign-parents-evaluated-holistically, (参照2025-06-10)
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